エブリィDA17V 燃費改善まとめ

私の所有するエブリィDA17Vは5AGSです。
軽としてノーマルではお世辞にも燃費が良いとは言えません。
<燃費の公式数値>
市街地:13.6km/L
郊外 :16.9km/L
高速道:16.2km/L
5AGSはミッション車よりも多少燃費が落ちると言っても他車種の軽乗用車と比べると「何でや」と言いたくなる数値です。
DA17Vの車重900kgに近い軽乗用車は他にもありますがFF方式だとリッター20kmは行きます。
商用車に乗る人は「こんなもんですよ。」と言いますが正直理解できないです。

<世間で言われる燃費の悪い理由>
①重いから:FF車に100kg~150kgの錘を乗せても燃費は上記数値にならんでしょ?
②FRだから:ミッドシップです。駆動のシャフトも極短くあり駆動ロスはそこまでではないでしょ?
③ローギア:それはその通り。アルトの4速とエブリィの5速がギア比同じです。
エブリィの5速は3000回転で時速60km/h、4000回転で時速80km/hなので高速道路の燃費が悪い理由になります。
しかしそれでは郊外道路の燃費が悪い理由にはなりません。加減速少ないし、タイヤは細く、小回りさせてる訳でもなし。
車重のデメリットが少ない状況でも燃費が悪いとすれば原因は他にあると推察しました。

写真1.エアクリの吸気最善
そこでまず吸気を思いっ切り増やして高回転時のパワーを上げて見ました。
EFI、キャブに関わらずアクセル開度を増やすとガソリン混合比は下がり、濃い燃料でトルクを稼ごうとします。従ってアクセル開度を緩くしても高回転まで回った方が相対的に燃費は向上します。限度はありますが回転数先行で通勤等の加速をさせる方法を試しました。
でもエアクリの吸気抵抗は重要で、これをやると確実に常用トルクは下がります。
それを補うのが吸気口のファンネル化です。

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写真2.吸気口のファンネル化
吸気導入管がノーマルのままで入口のみファンネル化させても定速走行程度では働きません。アクセルを開けた、回転数が増えた時のみ
ファンネル効果が出ます。ちなみに上記ファンネルだと倍程度の吸気量は確実に得られますが回転数が低いと逆効果で更にトルクは下がります。
写真のファンネルは100均皿と丼と張り合わせて200円で出来ています。

この2つの改造で燃費は大幅に向上しました。
私は通勤に片道1時間、3つ先の市まで通勤しています。多少の混みと坂道はありますが平地中心でアクセル開度に気を付ければ燃費は20km/L近く行きます。普通に走って燃費は19km/Lです。
通勤だけで使うならこれで十分だったのですが、昨年秋より仕事でもエブリィを使う様になりまして山間地では常用トルクが低いと何ともなりませんでした。燃費も18km/Lまで低下しました。
会社にDA17Vは5AGSと4速ATがあり、乗り比べると私の改造エアクリは常用トルクが1割程度低いのを実感。
一方でノーマル車の燃費の悪さも実感。会社のは5AGSで燃費16km/L、4速ATは13.6km/Lでした。

常用回転域のトルクを下げず燃費を上げる方法として写真2のファンネルを付けたまま、写真1のエアクリ蓋をノーマルに戻して見ました。

写真3.ノーマルエアクリ
中古で安く出回ってます。ポチって装着。ファンネル+ノーマルエアクリはノーマル車を上回るトルクが出ます。
が、アクセルを軽く踏んだだけだと車体が前へ出ません。前へ出るだけのアクセルの踏みだとトルクフルに発進します。

ここで気が付きました。ノーマルエアクリはアクセルを当てるだけでは走らない仕様だと。

<アクセルを当てただけは走らなくさせる理由を考察>
メーカーは熟考して設計しています。必ず理由があります。エブリィを使う人はどんなだろう、どんな状況で動かすだろう、で
考えた時、解りました。足にフィットしていない「長グツ」のような靴を履いてもエンジンがギクシャクしない様にアクセルが鈍くしてあるのだと。
踵のある靴を履くとアクセル操作は足全体で押すのではなく、踵からの回転運動で操作する事になります。細かな操作が出来なくなり大雑把な操作で走行せざるを得ません。女性が乗る事を意識したミライースの時、これに気付きエアクリを改造したのを思い出しました。
ミライースは発進回転数を落としてCVTを繋いだ為エアクリの吸気阻害板の効果は限定的でしたが、長グツを履く前提のエブリィはその吸気阻害板の効果がかなり大きく設定されていました。

写真4.吸気阻害板を外したエアクリ
エアクリの吸気阻害板はエンジンブロックから見た1枚目の板です。アクセルを開けた時に力が出ない、ギクシャクさせないのは
1枚目の板の横に這っているギザギザ部分です。それ以外を外すと外しただけ常用トルクが下がります。

SANYO DIGITAL CAMERA
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写真5.ミライースのエアクリ実験
ミライースでエアクリ内部の仕切り板を切り落としながら常用トルクの下がりップリを体験した後、どの板がどんな効果があるのかをペットボトルの蓋で疑似的な仕切り板を作り、蓋の切り欠いた部分を回転させたり蓋の数を減らす(=仕切り板の間隔を空ける)等の実験をしました。結論は「エンジンブロックからの吸気穴の延長線上にある板以外を切除すると常用トルクは下がる」事が判明しました。
写真を見ても切り欠きは結局ノーマル板と同じ向き、効果に落ち着いてしまいました。。
燃費向上で凌ぎを削る軽乗用車は、エアクリの設計も芸術的な仕上がりがありました。
エアクリへの導入パイプも考えられて作られており、高度なバランスの上に成り立っています。

しかし、設計者がより良い物を設計しても、長グツ、踵のあるヒール等で気楽に乗る事を考慮、優先させる為、エブリィは燃費が悪化するのを分かった上で吸気阻害板を大きくせざるを得なかったと言えます。

吸気阻害板を外したエアクリとファンネルで通勤+仕事3日間で平均燃費20km/Lジャスト。通勤だけなら普通に走っても燃費20km/L行きます。
メリットが大きい分、当然デメリットも有ります。

<吸気阻害板を外したエアクリ+ファンネルのデメリット>
①アクセル操作が難しい
フルノーマル車では発進しないアクセルの当てで時速40km/h近い速度が維持出来ます。ほんの少し踏んだだけで前へ出ようとします。
お年寄りが咥えたばこで、とは行かなくなりました。
②発進2秒間が微妙
ノーマルだとアクセル当てても前に出ない為、発進時ぐっと踏んでトルクを感じられますが、阻害板が無い改造エアクリはクリープ現象で前に出ようとする割には踏んだ瞬間のトルクがチョット弱いです。回転数が上がりファンネル効果が出る1~2秒、車体が停止線から30~50cmの間は「出足イマイチ??」と感じます。その後はファンネル効果でトルクが回転と合わせて上昇して行くので過給機のフィーリングにどことなく似ています。
③4500回転以上は燃費ノーマルと同じになる
フルノーマルは4000回転で燃費がかなり悪化します。最大トルクが3800回転だから当たり前って言ってしまえばそうなんですが。。
高速道路を平地80km定速でフルノーマル状態だと燃費計で15.0km/L~17.8km/Lでした。メーカー公式数値が高速道路で16.2km/Lだからエコタイヤ装着の分かなと思います。
同条件80km定速で吸気阻害板を外したエアクリ+ファンネルだと燃費計で17.0km/L~25.0km/L、圧倒的に燃費向上が実感できます。ところが
4500回転/90km定速になると18.0kmを下回ります。常用トルク重視設定ではここが限界ですね。
ちなみに写真1の改造エアクリだと高速道路を90km~100kmで走っても燃費に影響は出なかった為、高回転時に如何にアクセルを踏まずに走れるかが軽乗用車の燃費に関わって来る事が伺えます。写真1の改造エアクリは軽く踏んでも簡単に7000回転まで回るので、4000回転以上ではこの様な形のエアクリの方が効率が良くなって来るようです。

・・仕事で使うなら吸気阻害板を外したエアクリ+ファンネルはお勧めできますよ。

dada2625kkkkk について

よろしくです。
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